CASE FILE No.14 ── 青色申告
青色申告承認申請書の期限を過ぎたら(今年は白色、でもやることがある)
── 今年の分は取り戻せない。でも、来年の分は今日決まる。
- 「青色申告承認申請書の期限が過ぎていた」
- 「今からでもなんとかならないの?」
- 「今年の申告はどうすればいい?」
結論を先に言うと、過ぎた期限は戻りません。ただ、この検索をした今日が 来年を青色にできる最速の日でもあります。国税庁の一次情報(参照日 2026-09-03)で、 「確定したこと」と「まだ動かせること」を切り分けます。
その年の分は白色で確定(承認はさかのぼれない)。 今日、承認申請書を出せば来年分から青色にできる。 白色の年も、記帳と経費計上はやることがほぼ同じ。
まず期限の再確認: 本当に過ぎていますか
原則として青色申告をしようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに業務を開始した場合には、その業務を開始した日から2か月以内)
意外と多いのが「過ぎたと思い込んでいたが、まだだった」ケースです。
- 起点は実際に事業を始めた日です。開業届に書いた日付と記憶が違うなら、まず控えを確認
- 1月15日以前の開業・もともと事業をしていた人は、期限は「2か月」ではなくその年の3月15日
- 期限日が土日祝なら翌開庁日まで有効です
確認して本当に過ぎていたら、次へ。
確定したこと: その年は白色申告
青色申告は事前承認制で、承認を過去にさかのぼって適用する仕組みはありません。
災害などの特別な事情を除き、「うっかり」への救済措置もありません。
その年の確定申告は白色で行うことになります。
失うものを正確に並べます(出典: 同 No.2070)。
| 特典 | 内容 | 白色の年は |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除 | 最高55万円(e-Tax等で65万円) | なし |
| 純損失の繰越控除 | 赤字を翌年以後3年間繰り越せる | 原則できない |
| 青色事業専従者給与 | 家族への給与を届出の範囲で全額経費に | 定額の控除のみ(配偶者86万円等) |
| 貸倒引当金 | 年末貸金の5.5%以下を経費算入 | 原則なし |
まだ動かせること: 来年分は今日決まる
承認申請書はいつでも出せます。過ぎて出した場合は、適用が翌年分からになるだけです。
なお、この「年の途中では切り替えられない」が当てはまるのは、すでに事業をしている人です。 今年開業したばかりなら話が別で、年の途中からでもその年から青色にできます。
「来年の3月15日までに出せばいい」と先送りにすると同じ事故を繰り返すので、 気づいた今日出すのが正解です。書き方と提出方法は承認申請の記事にまとめてあります。
青色申告承認申請書を今日出す
e-Tax か税務署へ。適用は来年分から
今年の分は白色で確定申告する
記帳と経費集めは青色とほぼ同じ。手を抜く理由にはならない
帳簿を複式簿記の形でつけ始める
会計ソフトに任せれば白色の年から複式で慣れておける
来年、65万円控除の要件(e-Tax申告)で申告する
マイナンバーカードと利用者識別番号の準備も先に
白色の年を、できるだけ軽くする
白色でも経費の計上は青色と同じようにできます。記帳義務もあります(簡易な方法で可)。
つまり「今年は白色だから帳簿は適当でいい」は二重に誤りで、 むしろ今年から複式簿記の形で記帳しておけば、来年の65万円控除への助走になります。
家族に給与を払っている場合も、白色の事業専従者控除(配偶者最高86万円・その他50万円)は使えます。
詳しくは専従者給与の記事へ。
よくある質問
税務署にお願いすれば今年から認めてもらえませんか?
制度上できません。青色承認は申請期限を含めて要件が明確で、交渉の余地がある類のものではありません。
その分、来年分の申請は1枚出すだけで確実に通ります(却下事由がある場合を除き、みなし承認の仕組みがあります)。
開業届も出していませんでした
その場合は論点が増えます(確定申告をしていたか、さかのぼりがどこまで必要か)。
開業届を1年出し忘れていた人へを先に読んでください。
10万円控除も受けられないのですか?
10万円控除も青色申告の特典なので、承認のない年は受けられません。白色には青色申告特別控除に当たるものがありません。

