CASE FILE No.14 ── 青色申告

青色申告承認申請書の期限を過ぎたら(今年は白色、でもやることがある)

── 今年の分は取り戻せない。でも、来年の分は今日決まる。

記録者:開業メモ運営者 ・ 開業届・青色申請 提出済み(2026年8月) ・ 読了 4分

公開 2026年9月3日最終更新 2026年9月17日

  • 「青色申告承認申請書の期限が過ぎていた」
  • 「今からでもなんとかならないの?」
  • 「今年の申告はどうすればいい?」

結論を先に言うと、過ぎた期限は戻りません。ただ、この検索をした今日が 来年を青色にできる最速の日でもあります。国税庁の一次情報(参照日 2026-09-03)で、 「確定したこと」と「まだ動かせること」を切り分けます。

先に結論

その年の分は白色で確定(承認はさかのぼれない)。 今日、承認申請書を出せば来年分から青色にできる。 白色の年も、記帳と経費計上はやることがほぼ同じ。

まず期限の再確認: 本当に過ぎていますか

原文

原則として青色申告をしようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに業務を開始した場合には、その業務を開始した日から2か月以内)

出典:国税庁 タックスアンサー No.2070「青色申告制度」(令和7年4月1日現在法令等)(2026-09-03 参照)

意外と多いのが「過ぎたと思い込んでいたが、まだだった」ケースです。

確認して本当に過ぎていたら、次へ。

確定したこと: その年は白色申告

青色申告は事前承認制で、承認を過去にさかのぼって適用する仕組みはありません。

災害などの特別な事情を除き、「うっかり」への救済措置もありません。

その年の確定申告は白色で行うことになります。

失うものを正確に並べます(出典: 同 No.2070)。

特典 内容 白色の年は
青色申告特別控除 最高55万円(e-Tax等で65万円) なし
純損失の繰越控除 赤字を翌年以後3年間繰り越せる 原則できない
青色事業専従者給与 家族への給与を届出の範囲で全額経費に 定額の控除のみ(配偶者86万円等)
貸倒引当金 年末貸金の5.5%以下を経費算入 原則なし

まだ動かせること: 来年分は今日決まる

承認申請書はいつでも出せます。過ぎて出した場合は、適用が翌年分からになるだけです。

なお、この「年の途中では切り替えられない」が当てはまるのは、すでに事業をしている人です。 今年開業したばかりなら話が別で、年の途中からでもその年から青色にできます。

「来年の3月15日までに出せばいい」と先送りにすると同じ事故を繰り返すので、 気づいた今日出すのが正解です。書き方と提出方法は承認申請の記事にまとめてあります。

  1. 青色申告承認申請書を今日出す

    e-Tax か税務署へ。適用は来年分から

  2. 今年の分は白色で確定申告する

    記帳と経費集めは青色とほぼ同じ。手を抜く理由にはならない

  3. 帳簿を複式簿記の形でつけ始める

    会計ソフトに任せれば白色の年から複式で慣れておける

  4. 来年、65万円控除の要件(e-Tax申告)で申告する

    マイナンバーカードと利用者識別番号の準備も先に

白色の年を、できるだけ軽くする

白色でも経費の計上は青色と同じようにできます。記帳義務もあります(簡易な方法で可)。

つまり「今年は白色だから帳簿は適当でいい」は二重に誤りで、 むしろ今年から複式簿記の形で記帳しておけば、来年の65万円控除への助走になります。

家族に給与を払っている場合も、白色の事業専従者控除(配偶者最高86万円・その他50万円)は使えます。

詳しくは専従者給与の記事へ。

よくある質問

税務署にお願いすれば今年から認めてもらえませんか?

制度上できません。青色承認は申請期限を含めて要件が明確で、交渉の余地がある類のものではありません。

その分、来年分の申請は1枚出すだけで確実に通ります(却下事由がある場合を除き、みなし承認の仕組みがあります)。

開業届も出していませんでした

その場合は論点が増えます(確定申告をしていたか、さかのぼりがどこまで必要か)。

開業届を1年出し忘れていた人へを先に読んでください。

10万円控除も受けられないのですか?

10万円控除も青色申告の特典なので、承認のない年は受けられません。白色には青色申告特別控除に当たるものがありません。

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