原文解説 ── タックスアンサー No.2024・No.9205 ほか

「延滞加算税」という税はない(延滞税と加算税は別の税で、両方かかる)

── 自分から申告すれば5%、見つかってからだと15%。同じ遅れでも、先に動くかどうかで3倍違う。

記録者:開業メモ運営者 ・ 開業届・青色申請 提出済み(2026年8月) ・ 読了 8分

公開 2026年9月11日

  • 「延滞加算税って、結局いくら取られるの?」
  • 「確定申告を忘れていた。罰金はいくらになる?」
  • 「延滞税と加算税は、何が違うの?」

「延滞加算税」で検索すると、2つの税をまとめて1つの言葉で説明している記事がたくさん出てきます。

実際には、遅れた日数に応じてかかる延滞税と、申告しなかったことに対してかかる加算税は別の税で、両方かかります。

分けて理解すると、いくらになるかを自分で計算できるようになります。 国税庁の一次情報(参照日 2026-09-11)から整理しました。

先に結論

「延滞加算税」という税はありません。 かかるのは、遅れた日数ぶんの延滞税(2026年は年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%)と、 申告しなかったことへの無申告加算税(自分から申告すれば5%、調査を受けてからだと15〜30%)の2つです。 申告した日にそのまま納めれば、延滞税は年2.8%のままで済みます。

「延滞加算税」ではなく、2つの税に分けて考える

まず、それぞれが何に対してかかるのかを表にします。

延滞税 加算税
何に対してかかるか 納付が遅れた日数 申告しなかった、または少なく申告したこと
性格 利息にあたるもの 制裁にあたるもの
割合(2026年) 年2.8%、2か月を過ぎると年9.1% 無申告なら5〜30%
計算のもとになる金額 本来納める税額(本税) 本来納める税額(本税)
かからなくなる場合 計算結果が1,000円未満 計算結果が5,000円未満、1か月以内の自主申告など

どちらも本税をもとに計算します。延滞税が加算税にかかることはありません。

原文

延滞税は本税だけを対象として課されるものであり、加算税などに対しては課されません。

出典:国税庁 タックスアンサー No.9205「延滞税について」(令和8年4月1日現在法令等)(2026-09-11 参照)

延滞税は、遅れた日数ぶんの利息

延滞税は、本来の納付期限(法定納期限)の翌日から、実際に納めた日までの日数に応じてかかります。

所得税の法定納期限は確定申告の期限と同じ日で、令和7年分は2026年3月16日です。

割合は年によって変わります。2026年の割合はこのとおりです。

原文

(1) 納期限までの期間及び納期限の翌日から2か月を経過する日まで ── 令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間は、年2.8パーセント (2) 納期限の翌日から2か月を経過した日以後 ── 令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間は、年9.1パーセント

出典:同 No.9205(2026-09-11 参照)

ここで大事なのは、割合が切り替わる起点の「納期限」が、期限後申告の場合は申告書を提出した日になることです(同 No.9205)。

つまり、申告書を出した日にそのまま納めれば、遅れた期間の全部が年2.8%で計算されます。

申告だけして納付を先延ばしにすると、申告日から2か月を過ぎた日から年9.1%になります。

計算式

延滞税は、次の式で計算します。

本税 × 割合 × 日数 ÷ 365

端数の扱いは国税通則法で決まっています。

加算税は、申告しなかったことへの上乗せ

加算税には4つの種類があります。個人事業主に関係が深い順に並べます。

種類 どんなとき 原則の割合 自分から先に動いた場合
無申告加算税 期限までに申告しなかった 15%(50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%) 税務署の調査の事前通知より前に自分から申告すれば5%
過少申告加算税 申告した税額が少なかった 10%(期限内に申告した税額か50万円の多いほうを超える部分は15%) 事前通知より前に自分から修正申告すればかからない
不納付加算税 源泉所得税を期限までに納めなかった 10% 自分から納めれば5%
重加算税 事実を隠した、または偽った 過少申告・不納付は35%、無申告は40% ──

出典: 国税庁 タックスアンサーNo.2024「確定申告を忘れたとき」、財務省「加算税制度の概要」(いずれも参照日 2026-09-11)。

確定申告を忘れていた人に関係するのは、1行目の無申告加算税です。原文はこうなっています。

原文

税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合は、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に5パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。

出典:国税庁 タックスアンサー No.2024「確定申告を忘れたとき」(令和8年4月1日現在法令等)(2026-09-11 参照)
原文

令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、納付すべき税金が、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超え300万円までの部分は20パーセント、300万円を超える部分は30パーセントの割合になります。

出典:同 No.2024(税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合)(2026-09-11 参照)

調査の事前通知が来たあと、税務署が税額を決定する前に自分から申告した場合は、両者の中間の10%(50万円を超える部分は15%、300万円を超える部分は25%)です。

さらに上乗せされる場合

令和5年分以降は、次の場合に割合が上がります(同 No.2024)。

2年続けて出し忘れると、5%で済んだはずのものが15%になります。

かからない場合

期限後申告でも、次の3つをすべて満たすと無申告加算税はかかりません(同 No.2024)。

  1. 法定申告期限から1か月以内に、自分から申告した
  2. 納める税金の全額を、法定納期限までに納めていた
  3. 過去5年の間に、無申告加算税や重加算税を課されたことがない

また、計算した加算税が5,000円未満のときは徴収されません(国税通則法第119条第4項)。

数字で見る: 税額20万円を半年遅れで申告したら

令和7年分の所得税20万円を申告し忘れていて、2026年9月16日に自分から期限後申告し、その日に納めた場合を計算します。

無申告加算税

調査の事前通知より前の自主申告なので5%です。

200,000円 × 5% = 10,000円

延滞税

法定納期限の翌日(3月17日)から納めた日(9月16日)までは184日です。

申告した日に納めているので、全期間が年2.8%です。

200,000円 × 2.8% × 184日 ÷ 365日 = 2,823円 → 100円未満を切り捨てて 2,800円

合計 12,800円(本税の約6.4%)です。

同じ条件で、税務署の調査を受けてから申告した場合は、無申告加算税が15%の30,000円になり、合計は32,800円です。

前年も無申告だった場合はさらに10%上乗せで、無申告加算税だけで50,000円になります。

自分から先に申告するかどうかで、上乗せの金額が3〜5倍変わります。

今日できること

  1. 申告書を作る

    国税庁の確定申告書等作成コーナーか会計ソフトで。期限後申告でも様式は同じ

  2. 提出と納付を同じ日にする

    納付を先延ばしにすると、申告日から2か月後に延滞税が年9.1%に上がる

  3. 延滞税は本税と一緒に納める

    国税庁の「延滞税の計算方法」の画面で日数を入れると金額が出る

  4. 加算税は通知が来てから納める

    無申告加算税は税務署が計算して通知書を送ってくる。自分で上乗せして納めるものではない

そもそも開業届も出していなかった人は、さかのぼりの範囲から考える必要があります。 開業届を1年出し忘れていた人へを先に読んでください。

来年は同じことを繰り返さないように、開業チェックリストで確定申告の期限をメールで受け取れるようにしておくと安心です。

よくある質問

他の記事と割合が違います。どれが正しいですか?

延滞税の割合は毎年変わります。2025年までは年2.4%と年8.7%でしたが、2026年は年2.8%と年9.1%です。

加算税も令和5年分から改正され、300万円を超える部分の30%や、2年連続無申告の上乗せが加わりました。 記事の参照日と対象年分を確認してください。

加算税にも延滞税がかかりますか?

かかりません。延滞税は本税だけを対象に計算します(No.9205)。

期限から1か月以内なら、本当に無申告加算税はゼロですか?

1か月以内の自主申告に加えて、税金の全額を法定納期限までに納めていることと、過去5年に無申告加算税などを課されていないことの3つがそろえば、かかりません。

ただし延滞税は日数ぶんかかります。法定納期限を1日でも過ぎれば計算の対象です(結果が1,000円未満なら徴収されません)。

住民税や個人事業税はどうなりますか?

地方税にも「延滞金」がありますが、国税の延滞税とは別の制度で、割合も別に決まっています。

所得税の期限後申告をすると、その内容が市区町村に伝わって住民税の額が決まります。延滞金の扱いはお住まいの自治体の案内で確認してください。

すぐに納められない場合はどうすればいいですか?

申告は先にしてください。申告が遅れるほど加算税の割合が上がる可能性があり、納付が遅れるほど延滞税が増えます。

納付については、税務署に相談すると分割納付や猶予の制度を案内してもらえます。放置するのが一番損な選択です。

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