原文解説 ── タックスアンサー No.2070・A1-8 ほか
青色申告は年度の途中から始められるか(新規開業と継続事業で答えが逆になる)
── 同じ「年の途中」でも、開業したばかりの人と続けている人で、答えは正反対になる。
- 「年の途中で開業したけど、今年から青色にできる?」
- 「白色でやっているけど、途中から青色に変えられる?」
- 「11月に開業したら、控除も月割りになるの?」
「青色申告 年度途中」で調べる人には、立場の違う2種類の人がいます。
年の途中で開業したばかりの人と、すでに事業をしていて途中から切り替えたい人です。
同じ質問に見えて、答えは正反対になります。国税庁の原文(参照日 2026-09-17)で切り分けます。
年の途中で開業した人は、開業日から2か月以内に申請すればその年から青色になります。 すでに事業をしている人は、年の途中からは切り替えられません。 その年の3月15日までに出していなければ、青色になるのは翌年からです。 なお控除額は月割りされないので、11月開業でも要件を満たせば満額です。
まず、自分がどちらかを決める
判断はこの1点だけです。今年、新しく事業を始めたかどうか。
- 今年開業した ── 開業日から2か月以内。その年から青色にできます
- 去年以前から事業をしている ── その年の3月15日まで。過ぎていれば翌年から
根拠は同じ1文の中にあります。
青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日(非居住者の場合には事業を国内において開始した日)から2月以内。)に提出してください。
前半が継続している人の原則、かっこの中が新規開業の特例です。
「年の途中から」という言い方が通じるのは、かっこの中に入る人だけということになります。
今年開業した場合: 開業日から2か月以内
この場合は、年の途中でも問題なくその年から青色になります。
ただし1月15日以前に開業した場合だけ例外があるので、開業日ごとに整理します。
| 開業した日 | 承認申請の期限 | その年から青色になるか |
|---|---|---|
| 1月1日〜1月15日 | その年の3月15日 | なる |
| 1月16日〜 | 開業日から2か月以内 | なる |
| 例: 4月10日 | 6月10日 | なる |
| 例: 9月10日 | 11月10日 | なる |
| 例: 11月20日 | 翌年1月20日 | なる(期限は年をまたぐ) |
11月や12月の開業だと期限が翌年になりますが、対象はあくまでその年分の申告です。
期限の日が土日祝なら、翌開庁日まで延びます。
すでに事業をしている場合: 年度の途中では切り替えられない
白色で申告しながら「今年の分から青色にしたい」と年の半ばに思い立っても、その年からは青色にできません。
理由は引用した条文の前半で、期限が「青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで」と決まっているからです。
たとえば2026年分を青色にしたいなら、2026年3月15日までに申請が必要でした。2026年の7月に気づいた時点で、2026年分は白色で確定します。
その場合にやることは2つです。
- 今日のうちに承認申請書を出す。 期限後に出した場合は、適用が翌年分からになるだけで、申請自体はいつでもできます
- 今年は白色で申告する。 ただし記帳と経費の計上は青色とほぼ同じなので、今年から複式簿記に慣れておくと翌年が楽になります
くわしい対処は青色申告承認申請書の期限を過ぎたらにまとめました。
年度の途中から始めた年の控除は、月割りされない
年の途中で開業した人が気にするのがここです。
青色申告特別控除は、事業をしていた月数で按分されません。 11月開業でも、要件を満たせば65万円が満額です。
ただし上限が1つあります。
不動産所得の金額または事業所得の金額の合計額が55万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。
つまり控除額は所得の金額が上限です。開業2か月で所得が30万円なら、控除も30万円までで、所得がマイナスになることはありません。
月数ではなく、所得の金額で頭打ちになります。
65万円まで取るための要件(複式簿記・期限内申告・e-Tax)は65万円控除の記事に書きました。
自分の場合にいくら変わるかは節税シミュレータで試算できます。
よくある質問
4月10日に開業しました。今年の分から青色にできますか?
できます。開業日から2か月以内なので、この例なら6月10日までに青色申告承認申請書を出してください。
年の途中の開業であることは、その年から青色にする妨げになりません。
白色で3年やっています。今年の途中から青色に変えられますか?
変えられません。その年の3月15日までに申請していない場合、その年は白色で確定します。
今日申請すれば翌年分から青色になります。申請書はいつでも提出できるので、思い立った日に出しておくのが確実です。
12月に開業したら、その年の申告はどうなりますか?
12月開業でも、その年分の確定申告は必要です(所得の額によっては不要な場合もあります)。
承認申請の期限は開業日から2か月以内なので翌年の2月ごろになりますが、対象はその年分からです。控除額も月割りされません。
事業をやめて、また始めた場合はどうなりますか?
いったん廃業して新たに事業を開始した場合は、新規開業として2か月以内の期限が使えるのが原則です。
ただし以前に青色の承認を取りやめた経緯があると扱いが変わることがあるので、税務署に確認してください。

