CASE FILE No.01 ── 手続きの地図

開業までにやることリスト(順番に意味があります)

── 順番を間違えると、窓口を往復することになる。

記録者:ハジメ @kaigyomemo ・ 本人が手続き中 ・ 読了 5分

公開 2026年8月30日最終更新 2026年8月31日

  • 「開業届を出せばいいのは分かるけど、他に何が要るの?」
  • 「やることリストは見つかるが、どの順番でやればいいのか書いていない」
  • 「一度で終わらせたい。何度も税務署や銀行に行きたくない」

やることリスト自体はいくらでも見つかるのですが、順番の理由まで書いてあるものが 見当たらなかったので、自分で整理しました。まだ開業日を迎えていないので、 これは「済んだことの記録」ではなく準備の記録です。

先に結論

外してはいけないのは2つだけ。①と②を同じ日に出す。提出の記録を残す(e-Taxなら受信通知)。あとは順番どおりに進みます。

全体像:順番に意味がある

調べていて分かったのは、手続きには独立してできるものと、前の手続きの結果が要るものが 混ざっているということでした。リストを上から順にやると、途中で「控えがないと作れません」と 言われて戻ることになります。

  1. 開業届を出す

    提出の記録を残すこと(e-Tax の受信通知)が大事

    税務署へ。期限は開業年分の確定申告期限まで。

  2. 青色申告承認申請書を出す

    1 と同じ日に、同じ窓口で出せる。期限は開業日から2か月以内。

  3. 屋号付き口座を開く

    開業届の提出を示す書類が必要

    事業の入出金を個人と分ける。必要書類は銀行ごとに確認。

  4. 事業用クレジットカードを作る

    明細がそのまま経費の一覧になる。

  5. 会計ソフトを契約する

    口座とカード

    連携先が無いと初期設定が終わらない。

  6. インボイス登録を判断する

    独立した手続き。取引先が見えてから決めてよい。

図1手続きの依存関係。1 の提出記録が 3 の前提になり、3 と 4 が揃って初めて 5 が意味を持ちます。6 だけは独立していて急ぐ必要がありません。

1. 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)

税務署に提出します。手数料はかかりません。 期限は現在、開業した年分の確定申告期限までに緩和されています (以前は「開業から1か月以内」でした。古い記事はまだ1か月と書いています)。

原文

個人事業の開業・廃業等届出書 ── 提出期限:開業した年分の所得税の確定申告期限

出典:国税庁「開業する場合」(2026-08-30 参照)

ここで決めるのは屋号開業日の2つです。どちらも後から変えられますが、 開業日は他の手続きの起点になるので、決めたら控えておきます。

提出の記録を残す(受付印は廃止済み)

いちばん重要な実務がこれでした。ただし中身が変わっています。

2. 青色申告承認申請書

開業届と同じ日に、同じ窓口で出せます。

期限は開業日から2か月以内。確定申告の時期とは関係ありません。 開業届とは別の用紙なので、開業届だけ出して満足すると落とします。

出し忘れるとその年は白色申告になり、最大65万円の控除を失います。 詳しくは青色申告承認申請書の期限を勘違いしていた話に書きました。

3. 屋号付き口座

1の控えが要ります。 事業の入出金を個人の口座と分けるためのものです。

分けること自体は法律上の義務ではありません。ただ、分けないと会計ソフトに 個人の買い物まで流れ込んできて、仕訳のたびに手で除外することになります。 手間を減らすための投資という位置づけで考えています。

ネット銀行 都市銀行・信用金庫
開設 オンラインで完結することが多い 来店が必要なことが多い
手数料 安い傾向 高い傾向
会計ソフト連携 対応が早い まちまち
融資の相談 しにくい しやすい

融資を考えていないなら、ネット銀行で十分そうだと考えています。

4. 事業用のクレジットカード

3と同じ理由です。事業の支払いを1枚にまとめると、明細がそのまま経費の一覧になります。

個人カードと兼用でも申告はできますが、明細から事業ぶんを選り分ける作業が毎月発生します。 年に12回それをやるくらいなら、最初に1枚作るほうが安いという判断です。

5. 会計ソフト

3と4を作ってから契約したほうがいいというのが、触ってみた結論です。

主な機能が銀行・カードの明細を自動で取り込んで仕訳にすることなので、 連携先が存在しない状態で契約しても、初期設定が終わりません。

比較は「会計ソフトを両方入れて比べた」(近日公開)に書きます。

6. インボイス登録の判断

判断の分かれ目は、おおよそ次のようでした。

取引先 登録の必要性
法人が中心 必要になりやすい(相手が仕入税額控除を使うため)
個人・一般消費者が中心 急がなくてよい
まだ分からない 開業後に決める

開業「後」にやること

ここまでが開業前後の手続きで、そのあとに続くものもあります。

会社を辞めずに副業として開業する場合、社会保険の切り替えは不要です。

よくある質問

開業届を出さないとどうなりますか?

所得税法上は提出が求められていますが、出さなくても罰則はありません。 ただし、青色申告承認申請書は開業届とセットで出すものなので、 出さないと青色申告(最大65万円控除)が使えません。実質的には出す一択だと考えています。

屋号は必ず決めないといけませんか?

いいえ。空欄でも開業届は受理されます。後から付けることも、変えることもできます。 ただし屋号付き口座を作りたい場合は屋号が要ります。

開業日は過去に遡って書けますか?

書けます。ただし青色申告承認申請書の期限も同じだけ前倒しになるので注意が必要です。 開業日から2か月を過ぎていると、その年は青色申告にできません。

全部で何日くらいかかりますか?

税務署の手続き(1と2)は同じ日に終わります。口座とカードは審査があるので、 申し込みから利用開始まで数日から2週間程度を見ておくつもりです。 実際にかかった日数は、通過したらこの記事に追記します。

まとめ

各手続きを実際に通過したら、窓口でのやりとりと所要日数をこの記事に追記していきます。