CASE FILE No.02 ── 期限のある手続き

青色申告承認申請書の期限を勘違いしていた話(開業日から2か月)

── 期限は「開業日から2か月」。確定申告のときではなかった。

記録者:ハジメ @kaigyomemo ・ 本人が手続き中 ・ 読了 6分

公開 2026年8月30日最終更新 2026年8月31日

  • 「青色申告って、確定申告のときに選ぶんじゃないの?」
  • 「開業届を出したから、手続きは終わったと思っていた」
  • 「65万円の控除って、何をすればもらえるの?」

開業の準備をしていて、いちばん驚いたのがこの書類でした。名前から完全に誤解していて、 危うく落とすところだったので、調べた内容をそのまま残しておきます。

先に結論

やることは1つだけ。開業届と同じ日に、もう1枚(承認申請書)を出す。それで終わりです。

何を勘違いしていたか

誤解していたこと

確定申告のときに青色を選ぶ

3月に申告書を書きながら決められると思っていた。

実際

開業から2か月以内に申請書を出しておく

申告の時点では、その年の扱いはもう決まっている。

図1申告のときに選ぶものではなく、事前に届け出ておくもの。ここを勘違いすると全部が狂います。

3月に申告書を書きながら「やっぱり青色にします」と言うことはできません。 その年の扱いは、開業から2か月の時点ですでに決まっています。

何をどう勘違いしていたか、経緯を読む

「青色申告」という名前から、確定申告のときに選ぶものだと思っていました。 3月になったら申告書のどこかに「青色」「白色」を選ぶ欄があって、そこで決めるのだろう、と。 実際は逆で、申告の1年近く前に承認申請を済ませた人だけが青色を選べます。 名前が「申告」なのに実体は「事前の承認申請」なので、同じ勘違いをしている人は多いはずです。

期限は「開業日から2か月以内」

開業日
2026/9/10
── 2か月 ──
例:9/10 開業の場合
提出期限
2026/11/10
図2開業日が起点。提出した日ではありません。9月10日開業なら、期限は11月10日です。
いつ開業したか 青色申告承認申請書の期限
その年の1月16日以降に開業 開業日から2か月以内
その年の1月1日〜1月15日に開業 その年の3月15日まで
すでに事業をしていて、白色から青色に変える 変えたい年の3月15日まで
原文

所得税の青色申告承認申請書 ── 提出期限:3月15日まで(開業の日が1月16日以降の場合は、開業の日から2か月以内)

出典:国税庁「開業する場合」(2026-08-30 参照)
国税庁「開業する場合」の届出書一覧表。項番2に所得税の青色申告承認申請書、提出期限は3月15日まで(開業の日が1月16日以降の場合は開業の日から2か月以内)とある
国税庁の一覧表の該当箇所。出典:国税庁「開業する場合」(2026-08-30 参照)

開業日を過去に遡って書くと、その分だけ期限も前倒しになります。

開業日を遡って書く場合の注意を読む

数え方は開業届に書いた開業日が起点です。提出した日ではありません。 「実際は7月から動いていたので開業日を7月1日にしよう」と考えると、期限は9月1日になります。 開業日をいつにするかと、2か月の期限は、必ずセットで考える必要があります。

出し忘れると何を失うのか

図3控除額の差。いちばん下が「申請を忘れた私」になるはずだった未来です。
青色申告(65万円) 青色申告(10万円) 白色申告
特別控除 最大65万円 10万円 なし
帳簿 複式簿記 単式簿記でよい 単式簿記でよい
赤字の繰越 3年 3年 できない
家族への給与 全額を経費にできる 同左 上限あり
手間 大きい 小さい 小さい

出し忘れるとその年は白色申告に確定します。翌年から青色にはできますが、その年は取り戻せません

「65万円控除」で自分の税金が実際いくら安くなるかは、青色申告の節税シミュレータに所得を入れると30秒で出ます。 控除の条件(複式簿記・e-Tax)を原文から読み解いた話は65万円控除は複式簿記だけでは取れないにまとめました。

65万円・55万円・10万円、3段階の条件を読む

ここは調べていて一番ややこしかったところです。控除額は3段階あります。

  • 65万円 … 複式簿記 + 期限内申告 + e-Taxでの申告または電子帳簿保存
  • 55万円 … 複式簿記 + 期限内申告(ただし紙で提出)
  • 10万円 … 上記の条件を満たさない場合(単式簿記など)

落とし穴は「開業届とは別の用紙」であること

① 開業届② 青色申告承認申請書同時提出が最短
①の提出記録 →③ 屋号つき口座⑤ 会計ソフト連携
図4手続き全体の中での位置。①と②は同時に出すのが最短で、①の控えが③の前提になります。

開業届を出して「手続きが終わった」と思った時点で、そのまま落とします。私が危うくやりかけたのがこれでした。

別の用紙とはどういうことか、補足を読む

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と青色申告承認申請書は、別々の用紙です。 提出先はどちらも同じ税務署で、同じ日に、まとめて出せます。 ただし、開業届を出しただけでは青色申告にはなりません。 片方だけ出して満足しやすい構造になっているのが、この手続きの一番の罠だと思います。

控えの受付印は、もう押されない

調べていて認識を改めた点です。ネットの記事には「控えに受付印をもらう」と 書いてあるものが多いのですが、この運用は令和7年(2025年)1月に廃止されています

原文

届出書等の提出(送付)の際は、届出・申請書等の正本(提出用)のみを提出(送付)してください。 詳しくは、「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」をご覧ください。

出典:国税庁「開業する場合」(2026-08-30 参照)
国税庁サイトの注記。正本のみを提出し、令和7年1月から控えへの収受日付印の押なつが変わったことを案内している
国税庁の注記。出典:国税庁「開業する場合」(2026-08-30 参照)

いま出す場合はこうなります。

出し方は3通り

方法 提出の記録 向いている人
窓口 受付印は押されない。控えは自分のコピー 書き方をその場で聞きたい人
郵送 同上(返送されるのはリーフレット等) 税務署が遠い人
e-Tax 受信通知が提出の証明として残る 提出の記録を確実に残したい人

受付印が無くなった今、提出の記録が形として残るのは e-Tax だけです。 私は書き方を窓口で確認したい気持ちと迷いましたが、記録が残ることを優先して e-Tax(作成ソフト経由)で出す方に傾いています。

よくある質問

開業届だけ出して、青色申告承認申請書を後から出せますか?

その年ぶんについては間に合いません。開業日から2か月を過ぎると、その年は白色申告に確定します。 翌年から青色にしたい場合は、翌年の3月15日までに提出することになります。

開業日は自由に決めていいのですか?

開業届に自分で書きます。ただし、遡って書けばそのぶん青色申告承認申請書の期限も前倒しになるので、 「開業日をいつにするか」と「2か月の期限」はセットで考える必要があります。

青色申告にすると、必ず複式簿記が必要ですか?

いいえ。単式簿記でも青色申告はできますが、その場合の控除は10万円です。 65万円(または55万円)を受けるには複式簿記が要ります。 実務上は会計ソフトが複式簿記で記帳してくれるので、ソフトを使う前提なら難易度はそこまで変わらないようです。

この記事の内容は税理士の監修を受けていますか?

受けていません。私は税理士ではなく、これから開業する個人事業主本人です。 書いているのは制度の解説ではなく、自分で調べて自分の手続きに使った内容の記録です。 判断は所轄の税務署か税理士に確認してください。

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まとめ

実際に提出してきたら、窓口でのやりとりと、控えをもらえたかどうかをこの記事に追記します。

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